【野毛】激安の居酒屋 特集11選【財布に優しい】

【山荘】ジュークボックスと世界のカクテルがいざなう、いにしえの時間が此処に

山荘(サンソウ)は、野毛町二丁目にある老舗のオーセンティックバーです。

 

入り口の目印のグリーンの山荘看板。写真の明るさを周りに合わせると看板が飛んじゃうので周りが真っ暗になりました(笑)

お店は一階のドアから入り、二階となります。

オープン日1955年で、2014年1月に一度閉店をして、その一ヶ月後の2月に場所を変えて再オープンしています。現在では創業65年になります。

山荘の歴史はとても深く、そして人々に愛されてきた長い歴史があります。ちなみに一階のドアは旧店舗から持ってきたとのこと。これはすごい!初期からのお店の常連さんは懐かしんだことでしょう。

山荘の魅力

入り口のグリーンの看板。ここに映るロゴを見るとショートカクテルを飲みたくなります。

 

入り口に山荘の歴史が記された記事がありました。カクテルは700円〜から。

キャッチコピーの「世界のカクテル」はマスターの考案だそうです。

 

内観ですが、とにかくシブい! 入店して一発で惚れました。移転後も旧店の一部分を持ってきているので、旧店舗を知る人たちからするといろいろと思い出深いと思います。

左に少し見える木材の文字が入った板は、もともと旧店の外に看板としてあったものです。

 

このカウンターも旧店舗からのもの。

筆者の実家のお店の喫茶店もこの内側にえぐれているカウンターを使っていたので懐かしくてたまりません。この剥がれ具合も歴史を感じる一部分です。

 

「古きジュークボックスで温故知新、野毛の山荘ここに在り」

木材上部の文字が切れてしまっていますが書かれている文字です。

温故知新とは
昔の事をたずね求めて、そこから新しい知識・見解を導くこと。

 

ランプや、丸太も旧店のものを持ってきています。

インテリア一つとっても、本当に何から何まで情趣を感じます。

 

お店の壁紙の色や、棚の雰囲気、壁のポスターなどすべてがレトロで懐かしい雰囲気。

奥に見えるのはまさかジュークボックスでは!?

 

このジュークボックスは、100円で2曲のリクエストができます。

曲目は、ジョンレノンのイマジン、ビリージョエルの素顔のままで、クイーンのボヘミアンラプソディ、ザ・ドリフターズの渚のボードウォーク、エルヴィス・プレスリーのハートブレイクホテルなど。筆者でも結構わからない曲ばかりでしたが、流れてくる曲に耳を傾けると、ロカビリーやカントリー系のサウンドが響いてきました。

ジュークボックスの少しスレかけた響きがまたいいシーンを聞かせてくれます。そしてその音楽に合わせてショートカクテルを味わう価値がこの空間にはあります。言葉にならないほど、落ち着く場所です。

ちなみにこのジュークボックスは、旧店から移転時に別の買い取り手がいましたが、現在はその方のご好意で借りて置いてあるとのこと。

店内の席数は、22席カウンタ席とテーブル席があります。

スタッフは、バーテンダーの通称ジローさんと若いスタッフが数名いました。

この日のお客さんの様子は、常連さんと思わしき男女数名が(40〜50代?)カウンター席で楽しく飲んでいました。落ち着いたシブいお店だけに大人のお客さん向きな印象です。

山荘の提供するカクテルは100種類以上オリジナルカクテルもあります。そのほかフード乾きものから、ラーメン茶そばまで主食もあります。

山荘の歴史

今回山荘について興味がありいろいろと調べていましたが、こちらのお店の移転からバーにまつわる話を少し紹介してみたいと思います。

まず山荘は野毛にあるバーですが、マスター(黄野さん)が店を開く場所を横浜駅西口か野毛かで迷っていたらしく、野毛を選んだとのこと。

山荘の店名の由来は、創業当時の昭和30年代は登山ブームだったことから、山荘と名前がついたようです。ただ、マスターは山男との話ではありましたが「実は山を知らない」という事実がありました。

そしてお店のキャッチコピー、これは当初「世界のカクテル」ではなく、「しあわせを売る店」だったとのこと。

移転については、大家さんより立ち退きの要請の理由から2014年1月に惜しくも閉店。そして時を同じくしてマスターの黄野さんが91才で逝去。

そこへ、山荘のファンで現オーナーの金子さんがバーテンダーのジローさんに「山荘がなくなるのは惜しい。一緒にやりませんか」と声をかけたそうです。

その際に、黄野さんの奥様からも前の店にあったインテリアを提供してくださったと。そして新しい店の名前を「山荘」とすることも快諾。こうして、一度の閉店から約1カ月後の2014年2月25日、山荘は復活

ジローさんの継承の思いは「特別なことはしなくていい。このまま、店を続けていけたら」と。なんとも素敵なコメントです。

さて、バーテンダーのジローさんですが本名は違います。ジローさんの由来については、名前が覚えにくいというお客さんの声から年齢の順番でタロー→ジロー→サブローの順で名付けられ、現在残っているのはジローさんだけになったようです。

ジローさんは元々は会社員山荘のお客さんでした。会社を退職し職探しをしていた際に、前オーナーから誘われてバーテンダーの世界へ入ったそうです。カクテルの作り方もこの山荘で学ばれました。

こうやって、歴史や由来などいろいろと調べて見ると本当に良い店って残って受け継がれて行くんだなと思いました。筆者もこれから通って行きたい一つのお店になりました。

山荘のメニュー

カクテルはおおよそ700円前後です。ひとつひとつの値段はべらぼうに高いわけではないので純粋にこのメニューをじっくり見てから選ぶのが楽しいです。

勝手な想像だけど、値段をあえて書かないことは逆に本当に飲んでみたいものが見つかる気がします。

中央付近にある山荘カクテルはお店のオリジナルメニューです。

珊瑚礁の彼方、初恋、青い珊瑚礁、横浜、細雪、雪国、南太平洋、血と砂など個性的な名前のカクテルが並びます。

友人と来て、初恋を飲みながら互いの思い出話に花を咲かせるなんてことも楽しいかも。

 

ビールは、キリン・アサヒ・サッポロがあります。

日本酒や焼酎も。焼酎ボトルのジパングの下のパリ野郎がなんか個人的にツボです。

 

こちらはフードメニューです。

フードが意外と充実していて、定番メニューがミックスナッツ500円などから700円のハムエッグやゴーヤチャンプルーなど。そして主食と思わしき、ラーメン700円や焼きそば800円、茶そば700円など。お腹が空いていても大丈夫ですね。

ドリンク

山荘カクテル

お店の名前となっているオリジナルカクテル。色と美しくペパーミントの香る美味しいカクテルです。味に個性があり、初めての人はまずはこれから頼んで見るのもいいでしょう。

 

マティーニ

カクテルの王様マティーニです。ジンベルモット(ハーブを加えた白ワイン)で割るカクテルで30度を超えます。由来は、複数ありマティーニというバーテンダーが考案したことと、ベルモットがイタリアのマルティーニ社製であったこととされています。

マティーニの味は、キリッとした辛口のカクテルでお酒の強い人にオススメ。

 

横浜

ジンベースのカクテルで、ウォッカオレンジジュースがミックスされています。カクテルのカラーは、港の夕陽をイメージしたと言われています。

 

サイドカー

コニャックベースのカクテルです。度数は20〜30度ブランデーの香りと酸味が特徴的なカクテル。

 

青い珊瑚礁

ジンベースのカクテルです。こちらは色がとにかく美しいカクテル。ミントリキュールの味が良くわかるカクテルです。名古屋のバーテンデーが考案。

 

チェリードリンク色合いがエレガントです。

 

カミカゼ

手前のライムが入っているグラスです。ウォッカベースのカクテル。口当たりが鋭いカクテルで度数も強めなので氷の溶けるのを待ちながら飲むのが良いかも。

お会計

飲みすぎて忘れました(笑) だいたい一杯700円前後目安に。

まとめ

山荘は、野毛町二丁目にある老舗のオーセンティックバーです。1955年創業ととても古く歴史のあるバーです。

カクテルは100種類以上、バーですがフードも結構あります。

バーテンダーのジローさんが振るシェーカーから作り出されるカクテルは芸術品さながらの逸品。店内のジュークボックスに耳を傾けながらショートカクテルで色々な思い出話を語り合えるそんな素敵なバー。

一人でゆっくりと時を過ごすのもよし、恋人や古い友人と語り合うのもよし、そんな時を過ごせるお店です。

訪問2回目以降の追加情報

2020年10月訪問

初めて奥のボックス席へ着席。

椅子が厚めで座り心地がよかったです。

 

上を見上げると、これはまた素敵なアンティークの照明がこの空間を優しく照らしてくれます。

 

ピンクレディー

注文の際、「卵白(卵)が入りますが大丈夫ですか?」と言われ、レシピにそこまで詳しくなかった筆者はちょっとびっくりしましたがそのままオーダー。

ジンベースですがシロップを使っているため、甘くて飲みやすいショートカクテル。そして色も美しい。

ピンクレディーとは
ピンクレディーは、ジンベースのカクテルです。材料にグレナデンシロップと卵白を使うので、色味がピンク色に見える。ピンクレディーの発祥の地はイギリスで、1912年に上演されていたミュージカルの『ピンク・レディー』にちなんでいる。ミュージカルの打ち上げパーティーの際、主演女優のヘーゼル・ドーンに対して作られたのが始まりである。また、日本のアイドルデュオ、「ピンク・レディー」の名前は、このカクテルから都倉俊一が名付けたとされる。

 

枝豆 500円

お塩が適度に効いていて良い感じ。普通の枝豆なのになぜか美味しい。

 

初恋(左)

なぜか、ネーミングに惹かれてオーダーしました。レシピは、 シャンパン・ドライジン・チェリーヒーリングです。 シャンパンとジンを合わせているのでそこまで甘さは強くありませんが、炭酸がほどよくカクテルにパンチを与えてくれます。

2020年11月訪問

雪国

雪国のカクテルが注がれる前のグラスです。

 

雪国は、ショートカクテルに分類されるウォッカをベースとするカクテルです。

標準レシピは、 ウォッカ、ホワイト・キュラソー、ライム・ジュース、マラスキーノ・チェリー、グラニュー糖(グラスの縁に付ける)です。ウォッカベースなのでライムジュースの味をよく感じられ飲みやすいカクテルです。

雪国について
カクテル名の由来は、山形県の喫茶店ケルンで経営をしている考案者の井山氏が川柳から命名したとされる。また井山氏のカクテル「雪国」誕生秘話を綴ったドキュメンタリー映画「YUKIGUNI」は2019年1月に公開されています。そして井山氏は、雪国カクテル考案から60年を経た現在もお店に立つ、日本最高齢のバーテンダーでもあります。

 

ミックスナッツ 500円

定番のミックスナッツ。筆者はピスタチオが好みです。

お店情報

山荘(サンソウ)

住所

神奈川県横浜市中区野毛町2-64 2F

交通手段 JR「桜木町駅」より徒歩5分。
京急「日ノ出町駅」より徒歩7分。
桜木町駅から197m
営業時間 17:30~23:30
定休日 日曜・祭日
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